先頭頁 > 水石用語集 > め

水石用語集

※この用語集は『趣味の水石入門』村田圭司著・昭和56年・樹石社刊の「水石用語辞典」を元に一部変更して掲載しています。

銘 めい

現在では愛石につけられた名のことを一般にこういっているが、その語の本来の意味は古代中国における文体の一種である。即ち、殷・周の時代から何かを記念するためにつくられた銅器に原則として韻文で、その事件の記録や、または人の功績をほめたものを彫りつけたが、それは韻法、句法ともに一定していて一句四言でつづられ、隔句に脚韻をふむのがならわしであったといわれている。その文体のことを「銘」というのである。 なお、後世になっては必ずしも銅器に彫りつけたものとは限らず、石に彫りつけられたり、或いは「座右の銘」というように、器物に彫りつけない場合もあらわれるに至った。ひるがえって水石の銘の場合を考えてみよう。理想をいえば、それが秘蔵するにあたいするべき名石か、もしくは由来石の場合にしかるべき銘をつけるべきであろう。しかし、それを観賞する補助手段として連想するにふさわしいイメージを名とする場合もあってよいと思われる。現在にあっては、むしろ、後者の場合がはるかに多い。

名石 めいせき

名高い石というよりも、出色の石、すぐれた石、観賞価値のたかい石というほどの意味につかわれている。従来より、名石は三要素、つまり、形と質と色とにおいて、とくにすぐれたものをもつものでなければならない、とされている。そのうえ、名石には、時代(さび)と気品とがおのづからそなわっていなければならないのであろう。したがって真の名石はまことに少ないものである。なお、「銘石」という文字をつかう人もいるが、「銘」の解説でも分るように、正しくは「名石」と書くべきで、「銘石」と書く場合は、「銘」を彫り込んだ石という意味になってしまうゆえに可笑しい。

面 めん

水石の美の要素のひとつとして「面」をあげる説もある。とくに抽象的な美しさをもつ水石にあっては等閑視できない、といわれている。それを構成するいくつかの面のコントラクトな美しさ、二つ以上の面が変化と調和とにより、互いにひきあう力、そうしたところが「面」の見方のポイントといえよう。